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37 SNSについて

 

 辻真先さんに、僕が悪い評価をツイッターでリツイートしない、と、やや揶揄のトーンで紙面にて指摘をいただいた。
 この点については、まったくそのとおりである。僕は、自分の著作に関する悪い評価は基本的にリツイートしない。
 でも、正直に申し上げて、僕がツイッターを「宣伝」の目的で使用する限り、それは間違ったことではないと思っているのですが、いかがでしょうか。
 そもそもSNSというものを、僕はあまり活用していない。本名でのfacebookやmixiでのアカウントを持ってはいるが、たまにある知人とのメールを除いて、まったくの開店休業状態である。単なる「連絡」という用途以外にはほとんど利用していないのだ。
 これはひとえに、僕の性格がゆえである。飽きっぽく面倒くさがりな僕の気質は、SNSにまるで向いていないのだ。ツイッターにしても、アカウントを持って2年以上になるが、いまだにツイート数は3,000もいっていない。アカウントを持った当初は何をどう呟いてよいか戸惑い、実にテキトーなことをツイートしていた。途中からは数学がらみのツイートをシリーズで混ぜたが、今はそれも止めている。単純に面倒になったからだ。だから、他の方々で数年にわたり延べ100,000以上ツイートしているのを見ると、すごいなあと純粋に感心する。
 さて、このように僕は自分がSNSに向いていないということがわかっていながら、にもかかわらずツイッターのアカウントを持ち続けているのは、なぜか。
 わかりきったこと。「宣伝」のためだ。
 時折出る著作を、しっかり宣伝させていただく。何かを経由してアカウントをご覧いただいた方が、僕の著作に興味を持ってもらえるように、アピールする。そのために、アカウントを継続しているのだ。
 であればこそ、悪評をリツイートすることはない。それがあるのは知っているが、リツイートしても「宣伝」の目的に資することがないからだ。むしろいい評価をたくさんリツイートして、少しでも読書欲をそそってもらいたい。
 もちろん、いい評価を捏造しているわけではないので、別に許される行為だと考えているのだが、それでも僕のやり方は、やはり間違っているのだろうか。
 辻先生のご指摘は、もしかするとこういったやり方に「アンフェア」を感じられたからなのかもしれない。
 情報にフィルターをかけているという点では、確かに公平性は欠いている。しかし僕のアカウントは何かを人様に強要するものではないし、悪態をまき散らすような不衛生なものでもない。さらに言い訳するならば、僕自信が悪評に決して目をつぶっているというわけではないのだ。むしろ、ツイッターからいくらでも覗ける悪評に、そのたび心から反省させられ、へこまされているくらいなのだ。
 とはいえ、結局のところ、僕の思惑や目的とは別にして、いかようにも邪推されてしまうのであれば、いっそ切りの良いところでツイッターのアカウントを閉じるべきなのかもしれないと考えている。
 どうせ元々、あまりSNSに向いてはいないということは、僕自身が一番よく知っていたことなのだから。
 

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