top of page

22 次の年号について

 

 昔、まだ年号が昭和だったころ、「次の年号は絶対に『平和』である」と豪語していた人がいた。
 平和? そんな単純に決まるかなー。子供心にそう思っていたが、蓋を開けてみれば、やっぱり違っていた。だが「平」の字だけはあっていたため、その人は「一勝一敗といったところだな」と言った。正直意味がわからないと思ったが、一方で未来の予想をすることとは難しいものなのだということだけはよくわかった。
 そんなわけで、次の年号については、若干の興味を持っている。
 もちろん、次の年号になるということは、天皇陛下の崩御を意味するので、まったく望ましいことではなく、そういう事態を望むことが不謹慎であることも言うまでもない。
 したがって純粋に、「次にどんな年号がくるのだろう」という知的好奇心の世界であるということを前提にしていただきたいのだが、さて、これを考えてみると、結構面白いことに気づく。
 現時点で生きている日本人はすべて、「明治」「大正」「昭和」「平成」のいずれかの生まれである。それぞれ頭文字はM、T、S、Hであり、今後の略称のことを考えれば、サ行、タ行、ハ行、マ行ではありえない。したがって、行政上の要請として、頭文字はア行、カ行、ガ行、ザ行、ダ行、ナ行、バ行、パ行、ヤ行、ラ行、ワのいずれかとなるだろう。
 次に、明治より前の元号を二十ほど取り出すと、「元文」「寛保」「延享」「寛延」「宝暦」「明和」「安永」「天明」「寛政」「享和」「文化」「文政」「天保」「弘化」「嘉永」「安政」「万延」「文久」「元治」「慶応」となる。元号とはだいたい似たような漢字使い回すというイメージから、これらプラス明治大正昭和平成と重複する漢字を取り出すと、「文」「保」「寛」「延」「天」「明」「和」「安」「政」「治」だ。このうち行がサ行、タ行、ハ行、マ行となるものを省けば、「文(ぶん)」「寛(かん)」「延(えん)」「和(わ)」「安(あん)」「治(じ)」が残る。
 さらに、元号の時代性を考えると、なんとなく古めかしさのある「保」 「寛」「延」「治」は消えるのではないか。
 というわけで、残るのは、文、和、安。
 すなわち、次の年号は、「文○」「和○」「安○」となるように推測するのだが、いかがだろうか。

bottom of page